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食は広州にあり、と言うけれど…

<米作の原風景を求めて ~少数民族と棚田~17>

旅行期間:2013/12/28~2013/01/04

2014/1/4(土)

時間の経過と共に人々の声が響くようになってきた。と、同時に意識も鮮明になり、寒さをも感じる。そんな状態でやはり熟睡できないまま朝を迎えた。この夜は結局睡眠時間をどれだけ取れたのだろうか。非常に浅い眠りに終始した印象だ。短期旅行なのに結局やってしまった、空港泊。なかなかこういう癖は抜けないものだ。しかし、数時間なら空港で寝てしまうのが賢明だと考えてしまう。

さて、広州へのフライトもどうやらチェックインが始まっているようなので、指定のカウンターに行ってみるが、成田と同様チェックインは全て機械で済ませるシステムだ。広州~成田のフライトは別に購入しているのでスルーでのチェックインができない。とりあえず広州までのフライトだけチェックインを済ませ、搭乗券を受け取り、荷物を預けに行く。ここで、広州は乗継なのでスルーで荷物を預けられないかと確認してみたが、やはり無理だとのこと。この大きな荷物を持って街を歩くのはしんどいので、荷物預り所を探すしかあるまい。懸念していた中国東方航空だが、朝や昼の便はそれほど遅延のリスクは大きくない。折り返しのフライトが遅延しやすいのだ。

案の定、定刻の8時に離陸した。機内ではボーっとしていた。眠いのに眠れない、そんな状況。2時間強のフライトなので寝たとしてもすぐに到着してしまうのだ。かと言って1時間のフライトほどすぐに到着するでもない、なんとも微妙な時間だ。広州に到着したのも予定通りの10時過ぎ。

荷物のピックアップをした後、まずは荷物預り所を探す。これがないようなら空港でまったり待つのも良いかもしれない。あまり広州を観光したいわけでもないのだ。が、幸か不幸か案内板に荷物預り所の場所が記されていた。行ってみるとそんなに高くもないので預けて街へ繰り出すことにした。

街中へはエアポートバスでも行けるが、時間もそこそこあることだし地下鉄で行くことにした。空港から少し歩くと駅がある。広州については事前に何も調べていないしガイドブックの類もないので勘で動くことにした。頼りは空港のInformationでもらった地図のみ。空港の地下鉄駅では切符を自動販売機で買わなければならないシステム。中国の都市部の発展ぶりを改めて実感。少額紙幣の手持ちがなかったので(自販機で使えるのは5元、10元札)駅のInfoにいるお姉さんに両替を頼むと同時に市内の中心部はどこの駅か教えてもらう。観光案内ではないので教えてくれないかと思いきや、英語で「中心部って、何をしたいの?買い物?観光?」と尋ねてきた。「昼ごはんを食べて買い物できる場所が良い」と答えると、それなら体育西路駅が良いと教えてくれた。英語も通じるし、観光案内もしてくれるとは親切だ。本来、駅の案内所で尋ねるような内容ではなかったのに。

広州は大都市であるだけでなく、香港と地理的に近い。そのせいか香港の影響を少なからず受けている部分もあるので、英語が通じやすいという面もあるのだろう。しかし、それが逆に俺の興を削いでいる部分もあった。元陽のように誰も英語を話せない、という環境で片言の知っている中国語の単語を並べるだけの会話や、身振り手振りでの意思疎通を行うのが楽しいのである。

地下鉄に乗って体育西路へ移動。最新型の地下鉄で路線図もあり、現地地の駅も点灯するので分かりやすい。これでは方向音痴の俺でも迷子になりようがない。さすがは大都市である。だが、誰にも頼らずに旅ができるという事は、現地人との交流も希薄になりがちという事でもある。それでも店で買い物をし、レストランで食事をすれば事務的な会話はするのだ。だが、一番面白いのは言葉が通じない国で道に迷った時に、現地人に助けられながら目的地に辿り着く事。もしくは辿り着けなくても代替手段を見つけること、なのだ。

ということで、広州では昼食を食べ、高層ビルを見て街の発展ぶりを確認し、食べ歩きをしながら買い物を楽しんだ。実はこういう現代都市を食べ歩きしながら歩くのもそれなりに楽しめる。が、俺にとっては1日で十分だろう。3日も続けば飽きてしまうに違いない。

一通り広州を楽しんだ後は来た道を逆に戻って広州の空港に帰着。フライトまでまだ2時間もあったが、時間に余裕を見て行動したいので、こんなものだろう。広州塔に行くという選択肢もあったが、暇つぶし程度の魅力しか感じなかった。預けていた大きな荷物を受け取り、日本へのフライトにチェックイン。イミグレもセキュリティチェックも問題なく通過。セキュリティで俺の番が来た時に係員が日本人の男女を連れて俺に話しかけてきた。

「すみません、この人達時間がないので先に通させて!」

搭乗券をチラ見したが、14:00のフライトだった。時計を見ると13:50を指している。10分前か、まぁ無茶しよる。しかし10分前でも打ち切らずに何とか乗せようと頑張るこの空港、かなり優しいんじゃなかろうか。普通ならもう乗れない時間だと思うのだが。俺のフライトはと言うと15:15発なので、出発までまだ1時間ほどある。コンコースも往路と全く同じなので真新しいものもなく、スマホを充電して搭乗を待った。

帰りのフライトで隣の席に座った女性は行きのフライトでも隣に座っている人だった。短期旅行、それも年末年始やGWのフライトはこういう事が起こりうるんだな。ほとんど寝られなかったので、機内では寝て帰ろうかとも思ったが、意外にもあまり眠くないのと日系の航空に乗るのは珍しく、日本語コンテンツの機内エンタメが充実しているのが新鮮だったので、映画を見たり音楽を聴いているとあっという間に成田空港に着いてしまった。やはり短期旅行なら日本発着便が長距離フライトでないとしっくりこない。1週間以上の休みでは中東以遠に行くのが常なのだ。ベトナム4日間、中国4日間、の短い旅程だったが棚田と少数民族に特化した充実した旅であった。

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