<米作の原風景を求めて ~少数民族と棚田~14>
旅行期間:2013/12/28~2013/01/04
歩いて行ける棚田は龍樹覇へ向かう途中の道を右折して進んだ所にあるとの事なのでまずは龍樹覇へ向かう。が、右折するという場所を間違えて、新街鎮の町中で右折してしまい、道に迷ったのである。
結局、道なき道をひたすら歩き、2時間かけて新街鎮に戻ってきた。棚田へは行けなかったが、トレッキングとなったので良しとしよう。新街鎮は決して大きくはないのだが、かと言って町全体を歩くには結構時間がかかる。中心部だけならば狭いのだが山中に張り付くように町が作られているのだ。
下の方まで降りていくと今度は中心部(バスターミナルのあたり)まで登るのが一苦労だ。
結局、宿に戻ったのは19時過ぎになっていた。Belindaと娘さんのアイリンがいた。このアイリンが凄い。まだ3歳半なのに簡単な英語も話すし、宿泊客を宿泊客と認識して簡単な案内事ならばできるようになっているのだ。
宿の前に車が停まり、欧米人が4人出てきた。Belindaが言っていた本日棚田を周っていた旅行者とは彼らのことだろう。彼らとBelindaの話を聴いていたがかなり満足いく風景を楽しめたようであった。夕陽が棚田に張られた水に反射して赤くなっていたのが綺麗だったと。程なくして夕食を食べたいので良いレストランはないかという話になり、Belindaお勧めのレストランに案内してくれるという展開に。一緒にどうか?と誘われたので同行させていただくことに。
数分歩くとレストラン(飯店、と呼ぶべきか)に到着。席について話を聞いてみると彼らはイギリスからの旅行者だが、元は全員バラバラに旅をしていたとのこと。男2人女2人で、そのうちの1人(男)は日本から旅を始めたそうで、11月に紅葉の京都を訪れていて永観堂の写真を見せてくれた。奇しくも俺も11月に京都の永観堂を訪れていたので妙な親近感が湧いた。
彼らは中華料理というよりアジア料理全般について美味しいけど辛いのがちょっと苦手、という感想を抱いていた。イギリスでは料理に香辛料をそんなに使わないからだと言う。確かに。というよりイギリス料理って味をほとんど感じなかったような・・・。
1人の女子がなかなかシビアな物言いをする子で俺がイギリスに行ったことがあると話をしたら
「イングランドでどこに行ったことあるの?」
と話を振ってきた。
「ロンドン、オックスフォード、ベルファスト…」
「ベルファストはイングランドじゃないわ!」
とすかさず否定された。そうそう、こちらはついついイギリスとして考えてしまうけど、彼らはイングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの区別を明確にするんだよな。このあたりの感覚、慣れないと難しい。彼らは明日の朝のバスで河口へ向かうという。俺とは逆ルートで移動するのだ。サパについての感想を訊かれたので答えておいたが、まぁおそらく行くことになるだろう。元陽から行くとかなりツーリスティックに感じるに違いない。
皆、一品ずつ好きなものを注文し、ちょっとずつシェアした。俺はうっかり麻婆豆腐を頼んでしまい、1人以外は遠慮するという結果になってしまった。そうか辛いの苦手、か。帰りに超市(スーパーマーケット)に寄って買い物。品揃えが豊富で嬉しい。こういうのを覗いてしまうとついついアレコレ買いたくなってしまう。デザートのゼリーと明日のツアー用に飲み物を買った。
宿に戻ってBelindaに明日ツアーを組んで欲しい旨を伝えた。ここまで来て僅かなお金にこだわっている場合じゃない。チャンスがあればどんどん挑む、これが漢の生きる道だ。予報では明日も明後日も快晴だが、明日棚田観光を終わらせれば明後日はマーケットへ行くこともできる。Belindaは280元でも良いよ、と言ってくれた。300元の負担をどうしようか考えているように見えたのだろうのか。
手配を頼んだ後は、宿の娘アイリンとひたすら遊ぶ。このアイリンがお転婆で動画のような状況。遊ぶのを止めようとすると、「わぁぁぁぁぁ~!」と怒る。これは将来しっかりした宿のおかみになりそうだ。
寒くなってきたので部屋へ戻ろうとしたその時、男女2人組のアジア人がやってきた。中国語を話していたのだが着ているジャンパーにはハングルがプリントされている。Belindaとの話を聞く限りではここに泊まるようだ。そしてBelindaが明日棚田へのツアーがあるが、参加するかと尋ねている。おそらく「彼が行く」ということで話に出たのか、俺を見る2人。とりあえず挨拶だけしておいた。2人の様子を見る限り、とりあえず部屋に入るようだ。後からBelindaに話を聞いたが、1人もしくは2人明日一緒にツアーに参加することになりそうだ、とのこと。3人になれば負担は100元、2人であれば150元、どうせなら3人で周る方が楽しそうだな、と思った。いずれにしても明日は朝5時に宿の前に集合ということで、早めに寝ることにした。相当寒い事が予想できたので、ヒートテックを仕込み、ホッカイロも持っていくことにした。この旅のクライマックス、元陽の棚田を見る時が来た。