【私的通信簿】
観光資源:★★★☆☆
居心地 :★★★★★
食事 :★★☆☆☆
【マルタ行きのきっかけ】
塩野七生という作家の方がいます。
結構有名な方なのでご存知の方も多いと思いますが
地中海史の研究家と呼んでも良いくらい。
代表作は『ローマ人の物語』ですかね。
中学生の時に彼女の著作『ロードス島攻防記』を読んだのですが
描かれていたのが「聖マルタ騎士団」、舞台はロードス島。
聖マルタ騎士団はオスマントルコからロードス島を守るべく
戦いますが、戦いに敗れやがてマルタ島へ移住することに。
それでマルタ島の存在を知りました。
同時にいつか行ってみたいと思うように。
あ、そういう意味ではロードス島も行きたいです。かなり。
“ドルチェ”(イタリア語で「甘い」の意)と称される温暖な気候。
かなり惹かれます。が、楽しみは先に取っておくためにまだ行きません。
それ以外では村上春樹氏の『ねじまき鳥クロニクル』でも出て
きましたね、名前だけ(笑) 加納マルタ。
「島」ってなんだか良いですね。かなり惹かれます。
前述のロードス島もだし、キプロスにも行きたいし。
はっきり言って「島」好きです。
【雑感】
観光資源については小さい島だけど世界遺産が3つあります。
マルタは小豆島と同じくらいの面積なのですが
☆ヴァレッタ市街
☆巨石神殿群
☆ハル・サフリエニ地下墳墓
の3つがあります。
ヴァレッタ市街は言うまでもなく要塞都市。
ロードス島を追われマルタ島へ移住した聖ヨハネ騎士団ですが
マルタ島にもオスマントルコが攻めてきました。
それもそのはず。ロードス島においてもそうだったのですが
聖ヨハネ騎士団の方が海賊行為をしてちょっかいを仕掛けていたので。
そもそも聖ヨハネ騎士団というのは十字軍の末裔みたいなものです。
構図としてはそれに怒ったオスマントルコが海賊行為を排除するために
戦争を仕掛けたわけです。騎士団という名称だけど実質的には海賊。
ちなみに騎士団は各国の貴族しか入団できなかったのです。
「青い血」とも呼ばれていてですね、大抵は家を継がない次男以降の
子が入団していたと。そんな彼らの仕事は海賊(笑)
当時はオスマントルコの力が圧倒的だったのでゲリラ戦に活路を見出す
しかないのは仕方ないんですけどね。
それをなんとかかんとか撃退します。時の団長ラ・ヴァレッタは
オスマントルコが再び攻めてくる時に備えて要塞都市を建設しました。
それが現在の首都でもあるヴァレッタ。
もちろん団長の名前にちなんでつけられた名称です。
巨石神殿群については、まぁただの巨大な石です。
考古学的には重要らしいんですけどね。ナイルが生んだエジプト文明
より古い時代の文明だとされています。
一説にはマルタは幻のアトランティス大陸だとも言われています。
だとすると、巨石神殿はアトランティスの残滓だということになりますね。
ロマンを感じます。考古学が好きな人には(笑)
繰り返しますが、興味ない人にはただの石です。
ハル・サフリエニ地下墳墓も巨石神殿群の一つなのですが、これは
個別に世界遺産登録されています。入場には事前予約が必要です。
入場料は10ユーロです。
で、予約したにも関わらず道に迷って行けなかったのは俺ですけどね。
街中にあるし、どこのバス停で降りれば良いか分かりません。
運転手に尋ねても教えてくれなかったし。
事前に調べた行き方でここだろう、と思しき場所で降りたら全然
違う場所だったし。ここでも方向音痴を発揮してしまったわけで。
それから世界遺産ではないけどおすすめの観光名所が3つあります。
1.ブルーグロット
2.イムディーナ・ラバト
3.マルサシュロック
ブルーグロットは「青の洞門」と訳されるカプリ島の「青の洞窟」
と似たようなものです。(←説明適当)
午前中に行きましょう。あと海が荒れにくい夏が良いです。
俺は不運にも波が高く、ボートは出ていませんでした。
イムディーナ・ラバトはサイレントシティと形容される
マルタの古都。夕方以降に行くと人の気配がなく、雰囲気が
素晴らしいです。昼間だと観光客が多くて普通の街なんですが。
マルサシュロックは賛否分かれますね。俺は好きな方ですが、
日本の漁村みたいでつまらないという感想も結構聞きます。
実際、ただの漁村なんですけどね。
でもあの“ひなびた感”が好きなんだな。
それから船にくっついている目。あれ魔除けです。
あ、ゴゾ島とコミノ島もおすすめです。
ゴゾ島はマルタ島以上にゆっくりと時間が流れている場所。
アズールウィンドゥという珍しい形に削られた岩がおすすめ。
それ以外にもカリプソの洞窟もあったり。
カリプソの洞窟はホメロスの『オデュッセイア』で出てくる場所。
オセュッセイはここに辿り着き、アトラスの娘カリプソと暮らしたという。
・・・神話に興味ない人には面白くはないか。
ゴゾ島の蜂蜜はめっちゃおすすめです。濃厚で美味しいです。
これを食べると濃厚に農耕したくなる。
コミノ島はマルタ第3の島で現在はほとんど人が住んでいないんですが、
ブルーラグーンという非常に水の色がきれいな場所があります。
シュノーケリングとかする人多いです。
食事はイタリアに近いせいか、イタリア料理が多いんですが
はっきり言ってズイマーです。ゆで方がヘタクソで。
アルデンテには程遠い!
さすがは大英帝国の一部。
大英帝国に組み込まれると料理の仕方が下手になるのでしょうか。
マルタ料理は美味しいです。
おすすめはうさぎ料理。
スリーマにある『タ・コリーナ』という店が比較的安くて
味もまぁまぁ美味しいので行くと良いです。
というか有名店なので行く人は多いでしょう(笑)
そして、俺がマルタを好きな一番の理由。
俺が滞在していたのはスリーマという地区なんですが
海沿いには遊歩道があります。
そこで毎朝マルチーズ(マルタ人)がジョギングしているのです。
家族みんなで。
その姿を見ていてほっこりしましたよ。ほのぼのしていて。
マルタ人は家族を大事にする風習が強いと聞いたけど
百聞は一見に如かず。
見た時はただただ「いいなぁ」という感想。
その時以来、老後にマルタで住めればいいなぁと
思うようになりました。
http://ameblo.jp/lavande13/entry-10915705793.html
↑この記事で書いたように「家族」という居場所に特別な
思いがある俺がマルタ好きになったのは必然だったのかも。
実際、ヨーロッパから老後に移り住む人も多いようです。
ドイツやポーランドなど寒いところから。理由はマルタが
ただ暖かいだけじゃなく、雰囲気も温かいからだろうな。
俺もマルタに行けば心穏やかに暮らせそう。
あ~あ、またマルタに行きたくなってきた。
国別インプレッション 【マルタ】
2011年6月17日