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チェコ旅行記【8】 ~ヴルタヴァ川のほとり~

小さいながらも急な斜面の坂を超えるとクルムロフ市街地の入り口
であった。時間にして12時、ちょうどお昼時ということもあってか、
あたりは観光客で賑わっていた。チェスキー・クルムロフ城が川を
挟んだ対岸に見え、川を抱き込むようなS字型の街。

まさに中世がそのまま保存された街である。難点を言ってしまうと
観光客で溢れているので“いかにも観光地です”といった雰囲気を
感じてしまうことだろうか。このあたりはテルチあたりの方がチェコ
の自然な姿が見られそうな気はする。などといったことを考えながら
歩いていたが、やはり石畳の街をスーツケースを引き摺って歩くのは
疲れるので、予約していた『ウ・メスタ・ヴィドネ ホテル』を探した。

ホテルは橋を渡ってお城側の岸、城門のすぐ横にあった。印刷して
きたクーポンを見せてチェックインしようとしたが、14時までは
チェックインできないとのこと。荷物はレセプションで預かるから
市街をざっと周ってきたらどう?とのお言葉に従って早速お城へ。

チェスキー・クルムロフ城はボヘミア地方ではプラハ城に次規模の
城だという。場内ツアーで英語のものとチェコ語のものがあり、内部に
はツアーでないと入れない場所があるそうだが、待つのが嫌だったので
自分で周ることにした。修復の具合に疑問もあったが、さすがにこれだけ
の観光客を集める街だな、という印象を抱いた。街並みとしての魅力は
かなりのものである。ただ、これはプラハにも言えることだが、多くの
観光客でごった返しているところにいると、自分もその一人であることを
忘れて観光客を邪魔に感じてしまうのだ。人を観に来たのではない、その地
を観に来たのだ、と。もっとも、人を含めてその地の自然な姿、と見れば
人も風景の一部であるわけだが。難しいところだ。

城を抜けて庭園を一周し、塔に登ったのだが、この塔からの景観はまさに絶景。
この小さな美しい街を一望できるのである。同じように塔に登っていた日本人
観光客(女性二人組)のはしゃぎぶりが印象に残っている。
「一人旅じゃなくて良かったね~、一人旅だとこの感動を分かち合えないもんね。」
「うんうん、わぁ~とかすごぉ~い、で終わっちゃうもんねぇ。」
などと一人旅の俺の横で言っていた。
それはさておき、プラハやクルムロフで出会った日本人は女性が多かった。
やはり女性の方が旅行好きなのだろうか、特に海外となるとさらに。

お腹が空いたので野外のレストラン(というより屋台の食べ物屋)で昼食。
ステーキを注文し、売店でオレンジ水(?)を買ってきた。ちゃんとした
レストランでないだけにかなり安かった。100コルナ程度でかなりの量の
ステーキ(と言っても本格的なものでなく、肉を豪快に切って焼いたものに
ソースをかけたもの。付け合せを一緒に紙の皿に乗せてくれた。)が食べられた。

食べ終わると15時頃になっていたので、ホテルへ戻ってチェックイン。
ざっと部屋を見渡してもさすがは四つ星ランク、三つ星のホテルよりは明らかに
グレードの高さを感じた。当然、五つ星ホテルはさらに上であるわけだが。

一時間ほど休憩し、クルムロフ城以外の市街散策をするために再び外出。
ホテルを出て市街地の中心部へと歩いていたら思わぬ人との再会が待っていた。

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