初日のオーロラとイエローナイフの観光事情

ある程度の事情を知っている人にとっては、イエローナイフは観光都市
でないことは知られている。
『地球の荒らし方』にも記載してあるが、イエローナイフは

1.先住民族（インディアン）の白人との交易都市であり
2.ゴールドラッシュで栄えた鉱山の町であり
3.現在も鉱業の町であり、実はカナダで最も所得水準が高い

なのだそうだ。
極北の地なので貧しい人が多そうだけど、豊かな人が多いんですねぇ。
豊かと言うと語弊があるけど、所得水準はカナダでも指折りというのは
俺にとっても少々意外だった。
ちなみにパッケージツアーに参加する人は言うまでもないとして
現地でオーロラを鑑賞するにはツアーに参加するのが一般的だ。
強く大きなオーロラであればイエローナイフの街中でも見ることは
できるが、やはり町の明かりで条件は悪くなる。当然ながら郊外に
移動した方が良いのだ。
・・・・ここで勘が鋭い人は気付いただろう。
そう、郊外にさえ行けば別にオーロラ鑑賞ツアーに参加する必要はない。
が、問題はそこ。
イエローナイフに長期滞在する人ならいざしらず、通常の旅行者が初めて
訪れてオーロラを鑑賞できる時間帯（外は真っ暗）に自力で移動するのは難しい。
なので、初めはツアーに参加するべきだろう。
もちろん、土地勘さえあれば自分でレンタカーを借りて好きな場所に移動して
オーロラを鑑賞する、というテクニックは使える。事実、ツアー参加者の中に
そういう人がいた。
俺が参加したツアーは
Nanook Aurora Tours
という会社の主催のもの。
会社と言っても、事実上日本人が個人でやっている会社だけどね。
ここのオススメは、何と言っても車でオーロラが見える場所を求めて移動しつつ
鑑賞するという内容。
他の旅行会社だと大抵はオーロラビレッジという場所に連れて行かれる。
ティーピーと呼ばれる三角形型のテント（先住民族の住居）とオーロラの写真を
見たことがあると思うが、あそこである。
それに引き換え、Nanook Aurora Toursでは車で移動しながらオーロラを鑑賞する
ので、色々な場所でオーロラの写真を撮ることができる。
森の中から見るオーロラ。湖のほとりから見るオーロラ。
これは俺にとっては大きな条件だった。写真にはこだわりたいからだ。
オーロラを撮るにしてもできることなら違ったバリエーションの写真を撮りたい。
何より、夏オーロラの最大の魅力は湖面に映るダブルオーロラだろう。
俺が初日に撮ったオーロラの写真がこれだ。

この車で移動しながら鑑賞する、という方法の利点がもう一つある。
それは、常にオーロラの見える場所に移動できる、ということだ。
イエローナイフの晴天率が高いとは言っても、夜中の間ずっと雲が出ていない
わけではない。晴れた日でも雲は結構出る。そしてオーロラは雲より高い位置に
現れるため、オーロラが出ても雲が出ていると邪魔されて見えないのだ。
なので、この移動方ツアーで雲が出ていない方角に移動してオーロラが見える
場所を常に求め続ける、というのは非常に有効なのである。
参考までに、他社のツアーだとほとんどがオーロラビレッジという場所でオーロラを
鑑賞することになる。
その理由を教えてもらったのだが、あまり公開すべき内容ではないので詳細は伏せる。
知りたい人は自己紹介を添えてメッセージでも送ってくれたまへ。
ほとんど回し者と言っても良いくらいにNanook Aurora Toursを薦めたが
実際ここはかなりおすすめできる。
まぁ、実を言うと初日はここのオーロラツアーに参加できなかったんだけどな。
というのも、俺が申し込んだのは直前だったので初日は既に満員だったのだ。
宿もB&Bを希望したが満員だったので初日だけはホテル宿泊、となった。
2日目以降の宿泊はB&Bだ。上述のように、イエローナイフは観光都市では
ないために、安宿の類（ドミトリー）はないのだ。
ちなみに宿泊したホテルはChateau Nova（シャトーノバ）だ。
イエローナイフのホテルは空港から無料のシャトルバスで移動可能だ。
俺もシャトルバスでホテルへ到着した後、23時から提携している旅行会社の
オーロラツアーに参加して早速オーロラ鑑賞へ。
この日は23時過ぎにオーロラが見えたが、すぐに雲が出てきて見えなくなって
しまったので、ホテルに戻って寝ることにした。前日ほとんど寝ていなかったこと
もあり、粘りはしなかったのだ。
オーロラはいつ見えるか分からないので、可能なら極力粘ることをおすすめする。
事実、この日も明け方の5時頃に再度大きなオーロラが現れて爆発したのだそうだ。
その時もちろん俺は既に夢の中だったが。
初日撮影できたダブルオーロラの写真をもう一度。

次回：2日目の夜とオーロラ撮影のテクニック